今年は縁あって、何度も山梨に行くことになりまして
せっかくだからと、色々と下調べをしていた際のこと
確認される限り、古くは安土・桃山時代から
ついこの間の平成8年、『終息宣言』が出されるまでの
長きに渡り、甲府盆地の人々が闘ってきた地方病
『日本住血吸虫症』
その存在を、生まれて初めて知ることになりました。
なぜ山梨が、現在のようにモモやブトウといった
果樹園が拡がる、豊かな土地になったのか?
その要因の一つとなった、山梨の長きに渡る闘いが
こちらに記載されています。
詳細は上記ウィキペディアにお任せするとして。。。
奇病の発見に尽力した、三神三郎氏の辞世の句
『川中で 手を洗いけり 月澄みぬ』
川で手を洗う、そんな何気ない日常風景を命尽きる最期の時まで
夢見た彼の情景を思うと、涙を禁じえることができません。
田んぼを耕さなければ、明日の食料が無くなってしまう
でも田んぼに入れば、命を失うかもしれない。。。
農夫達はどんな決意を持って、農作業をしていたのでしょうか
そんな因果な悲しい環境を抱え続けた山梨において
病気の原因を究明し、対策を講じ、撲滅にまで辿り着いた
研究者の人々、山梨の人々、それを支えた続けた人。。。
誰が欠けても、今の山梨は存在しなかったのでしょう
この事を知り、もしかしたら山梨に対して惧れを感じてしまう
そんな人もいるかもしれません。
でも現在、病は撲滅され、加えて住血吸虫に苦しむ世界の人々に
その知識、技術と資金を、提供しているのです。
そう思うと、ただ瑞々しい山梨県産のブドウやモモが
更に味わい深く、美しく感じられるのではないでしょうか。